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貸金庫に現金はもう入れられない。何が禁止され、どうすればよいか

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何が決まったか

金融庁は 2025年5月30日、「主要行等向けの総合的な監督指針」と「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」を改正しました。貸金庫について、次の 3 点を金融機関に求めています。

  1. 管理態勢: 行員が単独で貸金庫を開けられない手続き、予備鍵の本部一括管理など、開閉の記録、本部による定期点検。
  2. マネー・ローンダリング対策: 約款で「リスクが高いと考えられる物品等」を格納できる物から除くこと。現金はこれに含まれる と注記されています。利用目的を顧客に確認すること。
  3. 事案の公表: 不正事案が起きたときは原則として公表すること。

これを受けて全国銀行協会は 2025年6月19日に貸金庫規定のひな型を改正し、各行が 2026年2〜4月に規定を改定しました(各行の施行日)。

禁止の範囲

全国銀行協会のひな型と金融庁のパブリックコメント回答で、範囲は次のように整理されています。

物 扱い
現在発行されている紙幣・硬貨(日本円) 格納できない。金額の多寡は問わない
外国の通貨 格納できない
現行紙幣と肖像が同じ旧札(例: 福沢諭吉の旧一万円券) 格納できない(現行紙幣と同じ扱い)
記念通貨、それ以外の発行停止の貨幣・紙幣 基本的に格納できる(各行の判断)
金地金・貴金属・宝石 格納できる
危険物、変質・腐敗のおそれがある物 格納できない(従来どおり)

「少額ならよい」という例外はありません。金融庁は、金融機関が格納物の金額を把握して可否を判断することは貸金庫の性質上適さない、として金額基準を否定しています。

既存の契約にも適用される

改定後の規定は、改定前から契約している人にも適用されます。各行は「次回の来店時に現金を取り出してください」と案内しており、三菱UFJ銀行のように取り出し期限を明示していない銀行もあれば、施行日までに取り出すよう求める銀行もあります。お使いの銀行の案内を確認してください。

現金が入ったままになっている場合、すぐに契約解除になるわけではありませんが、規定上は解約事由に当たります(例: 広島銀行の改定後規定では、利用目的の申告に偽りがあったとき、マネー・ローンダリング等の観点で解約が必要と判断したときに銀行が解約できるとしています)。

利用目的の申告

貸金庫を使うときに、「マネー・ローンダリングや不正利用を目的としていないこと」「格納物が規定の範囲を逸脱していないこと」を書面などで申告することになりました。

  • 来店時にチェックリスト方式の申告書を出す方法が一般的です。1 か月に何度も使う人は、毎回ではなく一定期間ごとの確認でよいとされています。
  • 来店していない既存の契約者には、郵送で申告書が届きます。返送しないままにしないでください。
  • 全自動貸金庫では、操作画面で確認する方式もあります。

取り出した現金をどうするか

預金に戻す

一番簡単です。1 回に 200 万円を超える現金の預け入れは、犯罪収益移転防止法の「特定取引」として本人確認(取引時確認)の対象になります。本人確認書類を持参し、現金の出どころを聞かれたら貸金庫から取り出した旨を伝えてください。

自宅で保管する

家庭用の耐火金庫に入れる方法です。ただし耐火金庫は火災対策の製品で、盗難には弱いことを理解しておいてください。詳しくは 家庭用金庫の選び方 をご覧ください。

民間の貸金庫に預ける

民間事業者の貸金庫は、監督指針の対象外です。現金を受け入れるかどうかは事業者の規約によります。預ける前に規約の「格納できない物」を確認してください。民間の貸金庫の選び方

注意: 税務上の問題は別

貸金庫に現金を置いていた理由が相続税や贈与税に関わる場合(親の現金を子の名義の貸金庫に入れていた等)は、取り出す前に税理士に相談してください。貸金庫の開閉記録は、相続税の調査で確認されることがあります。

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